「ラウンジ手帳」と愛称を与えている、私の手帳。
ここでいう手帳とは、スケジュール管理や未来を膨らませるためだけのものではなく、日々の想いの履歴を残したり、ペンで書く運動を楽しむ役割を含みます。
私の平和な時間を作り出す大切なツールです。
考えごとをしながら書きものをするときは、できるだけ空気を変える(特別な時間を作る)ようにしています。
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仕事で文章を書くのは「いつもの場所」が安定しますが、日記や想いごとは場所が安定しない方が、私の場合は筆が進み、心も進みます。
周り(店内や公園)からの、自覚できないほどの小さな刺激で、感情が軽く弾むくらいが手帳と向き合うにはちょうどいい。
手帳には、統一性もなく浮かんだことを書いていきます。
やがてそれらは、後づけで繋がって一日のストーリーになるので、心の感度が弾んだ方が面白い手帳ができあがるのです。
手帳をみれば、毎年それぞれの時期の雰囲気が文字に表れています。
自分特有のクセ字によって、書かれる内容だけでなく自分しか感じ取れない「季節の空気」が記録されます。
ただ、そんな書き環境はいつでも用意できるわけではなく、スケジュール、家族ごと、自分の体調などで左右されることがほとんどです。
そこで、
本を開いて「文字を読むこと」で本の世界に滑り込んでいくように、
手帳を開いて「眺める・書く」で自分の世界へ潜っていけたらいいな、とはじめてみたのが「ラウンジ手帳」です。
「書く」を集中させるフラクト手帳
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現在、常時持ち歩いている手帳は、アジェンダMMとフラクト手帳の2冊使いをしています。
ノートはトラベラーズノートを愛用しています。
書くために開く手帳は、フラクトの出番が多いです。
フラクト手帳は黒いボディにもかかわらず、カッチリ重厚な手帳というより、どちらかというとイマドキの風貌のスマートなイメージですが(私個人の見解です)、筆記中のグラつきをほとんど感じません。
細マッチョです。
リフィルの紙質も大事、
ペンの握りやすさも大事、
インクフローも大事、大事、
同様に、書いている時の執筆に集中できる安定感も大切です。
余計なことを考えながら(心配しながら)、文字を置くのは気が散ってしまいます。
その点でフラクト手帳は、安心して集中させてくれる良い嫁の匂いがプンプンします。
(細マッチョな嫁とは)
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私は柑橘系の香りが好きで脳がパッと開く感覚があるので、アロマを紙に染み込ませ、手帳のポケットに忍ばせています。
このアロマは、ホテルやラウンジで仕事のミーティングがあったときや、自分へのご褒美で気になるカフェへ出かけたときなどに、そのホテルやカフェの近辺のショップで購入したもので揃えるようにしています。
自分の好きな香りにラウンジの雰囲気や記憶を持たせ、手帳に入れているのです。
心に安定を導くアジェンダMM手帳
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一方アジェンダは、中身を読んだり眺めたりすることで気分を落ち着かせる要素を強化しています。
上記のフラクトが「動」の手帳とすれば、アジェンダは「静」の手帳です。
中には、個性的な役者が揃います。
例えば、
家族の写真や、まだ小さかった頃の子どもたちにもらったお手紙、結婚前に夫とディズニーへ行きケンカして帰ってきた時のチケット(裏面には夫の「ごめんね」の文字、笑)、仕事で初めて訪れた出雲大社のお守り、バイトして初めて自分で買ったカメラで撮った最初の1枚、思いついたときに少しずつ書きためている「小さな幸せリスト」などなど。
アジェンダは「静」の手帳ではあるものの、感情があたたかい方面へと「心を動かす」役割があります。
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また、「眺めリスト」というものを作り、目にみえた美しいものを箇条書きでコレクションしています。
実際に自分で見た美しいものだけの濃縮なので、普通の日記とは違い、読み返した際の鮮明さが圧倒的に濃厚で、幸福度も高いです。
「書く」ための環境づくり
これら愛用の手帳ですが、
「この手帳を開けば、どこであろうとホテルのラウンジで書いている」
そんな手帳に育成中です。
(そのまま「ラウンジ手帳」と命名しています)
もちろん、本当にラウンジへ飛べるようなことはありませんが(ドラえも〜ん!)、手帳を手元におくと、ちょっとオシャレなラウンジでペンを走らせる気分になれたらいいな、と。
私はカフェやラウンジで書くと、普段思いつかないような言葉が降ってきたり、静かに根を張るような安心感に包まれたりします。
このテンションの波に乗れると、これ以上の筆記の楽しみはないです。
とはいっても、毎回そんな環境ではいられないので、せめて意識の中だけでもラウンジ空間を遊泳しよう、というわけです。
そのキーとなるのが「ラウンジ手帳」ということです。
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気持ちよく書くために。
テーブルの上に愛用のカメラがあって、
ペンと紙があって、
今日の気分に寄り添うドリンクがある。
適度に人の気配があって、
邪魔しない程度に耳に入ってくる雑踏、
時にはイヤホンして音楽を聞きながら。
ちょっと手を休めて窓の外を見たり、
隣の人の本のタイトルをチラ見してみたり。
そこには、必ず愛用の手帳がある。
心当たりのある傷がしっかりと見える、私の手帳。
最高じゃないか。
ラウンジ手帳育成のための工夫
最後に。
「普通、手帳にこういうのは入れないよね」というものを、ひとつ取り上げてみたいと思います。
実はこれこそが、私の目指す「ラウンジ手帳」へ育っていく大きな要素になっていると感じているアイテムです。
それは、
生前、父が使っていた名刺です。
この名刺を手帳の透明のポケットリフィルに入れて、見えるようにとじています。
(「静」手帳のアジェンダに)
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数年前、『ザ・マジック』という本を読んで、感謝ワークを知りました。
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ある一節に目と心が止まり、何往復もそこに書かれた文字を追いました。
すぐに付箋を貼って、紙にも書き出しました。
子供のころから青年時代までを振り返ると、誰かが必死で稼いだお金でいかに多くの物を自分が受け取っていたかに気付くでしょう。それらの思い出や出来事の一つひとつに感謝してください。
ザ・マジック(ロンダ・バーン)
これまで自分のために注がれてきた時間やお金に、どれだけの愛情が詰まっているだろう。
後悔の残るネガティブな時間も、無駄に捨ててきたお金もすべて、私がここでこうして手帳に触れる指先に繋がっている。
これは奇跡であり、周囲の人が編んできた愛の結晶なのだと。
手帳を開きます。
父の名刺が目に入ります。
父が何千という人に手渡してきたであろうこの名刺を眺めていると、ここに私の命が乗せられ、健康に育ち、学び、今があるのだ、と思わずにいられません。
イマココに私の命を運んできてくれたあらゆる偶然必然に、屈託のない「ありがとう」が積もります。
そして、
これがやさしいエネルギーとなり、私はまた手帳を開き、書いたり眺めたりするのです。
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濁った空気に触れさせることなく、「神聖」を保ちたい。
そんな場を、手帳の中に宿していきます。
これが私のラウンジ手帳です。