【別アプローチ】レシピ本好きな私のちょっと変わった料理本活用法

書店で気になる料理本があると、すぐに買ってしまいます。

本をひらくと、整ったキッチンにホクホクの香りが今にも届きそうな料理がたくさん。
眺めているだけでもワクワクします。

本来は料理本をひらいて材料をメモったり、参考にしながら料理したりするのが普通なのでしょうが、私のレシピ本の扱いはちょっと違います。

私が料理本を買うきっかけは、レシピの横に添えられている言葉に惹かれたとき。
料理に関係したちょっとしたコラムや言葉が私の中で鐘をついたとき、何も疑うことなく本を手にレジに直行しています。

「まゆねねよ、ゆけ!」とゴングが鳴った証です。

レシピ本は雰囲気を盛り上げるBGM

こうして連れ帰ってきた料理本の気になったページをキッチンでひろげ、作者さんには申し訳ないのですが、ほとんどレシピを見ることなく(ともすれば、レシピとは全く違ったものを作りながら)、そこに書かれた料理エッセイにひたりながら、気分良くご飯をつくります。

映画『かもめ食堂』や『パンとスープとネコ日和』を、BGMとして流しながら家事をする人も多いと思いますが、まさにあの感覚です。

どんな料理も、できたての熱々のうちに食べたい。
体の中に入れてやりたいな。

高山なおみ

暑い夏の盛り、
赤いプラムが果物売り場を賑わすと、
いつ砂糖煮を作ろうかとそわそわします。

高山なおみ

よくサボテンにお水をあげるとき、「今日もかわいいね」「ほら、おいしいお水だよ」と言いながら育てるといいと言います。

これとちょっと似ていて、私がご機嫌で気持ちよくご飯をつくれば、それを食べる人たちも気分良くなれるんじゃないかと思うのです。
反対に、私がストレスまみれでつくったご飯を家族が食べると、家族にもよどんだ空気が伝染してしまうのではないかと思ったりします。

だから、たとえ心が整わない状態でも、せめてキッチンに立つときくらいは気持ちが落ち着いている自分でいたいのです。

けれど、それってなかなか難しいですよね。
うまく自分をコントロールできたら、悩みなんて半減できてしまいます。

こんなとき、私は料理本を活用します。
レシピに添えられた言葉に影響を受けながら、エプロンで上書きするように荒んだ気持ちを静めていきます。

料理をつくるモチベーションへ切り替わるように。
そして、気分が上がって楽しく作れたらラッキーだな。

という具合です。

レシピ本は舌だけでなく目にも心にもやさしい

我が家には重度の食物アレルギーっ子がいます。
市販のレシピは、参考にならないことがほとんどです。

けれど私は、眺めているだけでも幸せな気分になれる料理本が大好きで、我が家ではあまり実用的でないレシピ本もなんとかして活用したい!という執念が導いた、ある意味こじつけの結果なのかもしれません。
(必要でないものは家に置きたくない、という主婦魂ですね)

どんな動機にせよ、いま私はこのような料理本の読み方がかなりフィットしていて、日常の家事意欲のキープに役立っています。

料理本の目的を、レシピどおりにつくるだけで終わらせるのはもったいない。

料理のノウハウだけにとどまらず、画像や文字、紙質などの質感から「料理本、買ってやったぜ」「レシピが増えた」という所有欲を満たします。

だんだんと冷え込んできた朝のキッチンに立つために布団から出るための、大きなチカラにもなります。

レシピにあるような、栄養バランスのとれたオシャレな料理がなかなか食卓に並ばないのに、料理本ばかりがどんどん増えている我が家のナゾは、実はここにあるのでした。