思い返してみよう。
知らない土地の空気に触れたときの、あの解放感。
そこは誰も自分のことを知らない、知ろうともしない、他者の視線からの自由。
ここからひろがる、空を掴みたくなるような気持ち。
365日、24時間が、この状況だと孤独すぎて辛いけれど、確信できる「帰る場所(帰っていい場所)」があって、きちんと繋がれている事実があるから、見知らぬ土地での解放が安心で心地いい。
一見矛盾しているこの感覚。
けれど、この両極(つがなれる安心、放たれる解放)を同時に持てる状態が、自分らしくあるための原料なのです。
仕事は外へ外へ、
暮らしは内へ内へ。
すべてを統一する必要はなく、
一色にまとめる必要もありません。
まわりと少しずれてたって、
はみ出していたって、
正反対だって、
ぴったりマッチしないその誤差こそが、右へ左へ傾く自分のバランスを保っているのです。
対極をみよう。
両極をもとう。
どちらともいえない狭間で、ゆらゆら揺れてる自分をみつけてあげよう。
そして。
そんな自分を認めてあげよう。
「よく頑張ってるね」と花束を差し出そう。
「心を満たす」の正体ってこれなんじゃないか、と思うのです。